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この脈絡のない頭の中には漫画の事とたぬき的哲学がある。略して「たぬ哲」。
2024/11/26 (Tue)04:24
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2009/08/23 (Sun)23:24

息をのむっていうのはこういうことを言うんだと思った。


先週、本屋で溺れるナイフ8巻を見つけて
思わず息が止まった。

そんな漫画ってあります!?

ここまで新刊を楽しみにしている漫画は
今私の本棚にはない。

常時集めている漫画は30種類くらいなもんですけど
その中で本屋に行く度に必ず頭をよぎる本はこれだけ。

今なら言える。

この漫画、私が読んできた少女漫画の中で一番面白い…!

最新刊8巻は1年以上開いての刊行でしたので
感動もひとしおって感じでした。

 

ストーリーはこうです。

主人公‘夏芽’が東京から片田舎に引っ越してくるところから始まります。
何もないと思っていた田舎で‘コウちゃん’という男の子に出会う。

コウちゃんはキラキラしていて東京でもどこにもないような
輝きを持っている男の子でした。

夏芽もまたキラキラした存在で、田舎では目立ちすぎる存在でした。

そんな二人は当然のように互いに恋をしていきます。
それはそれは窒息しそうな想いを抱えて。

 

話しはこのように直球な恋愛漫画です。

そういう漫画に大切なものって言えば
どれだけ主人公の気持ちがリアルに伝わるかと
男の子のかっこよさ。だと思うんですけど、

これが神ががかっている。
本当に胸がぎゅーーーーーーーってなる。
時々ページをめくる手が震えるほどに
夏芽のコウちゃんに対する想いがわかってしまう。

いつもならただ読んでるだけのモノローグも
胸を抉られます。わかりすぎんだよ夏芽ちゃんの気持ちが!

本当うめぇなぁー。って思う。
作者の描くコウちゃんという男の子なんですけど、
言っとくけどめちゃめちゃかっこいいです。

私の中の少女漫画の男ランキング

第一位 入江直樹くん(イタズラなkiss)

を抜いちゃうんじゃないかなぁ… 

彼はしばし、キラキラ光って見えると形容されますが
本当にね、誰もそこには入れないくらい神聖な光を帯びるのがわかる。

特別な存在としてその小さな田舎町に君臨しているコウちゃん。
その特別感を出すのが作家の力量ですけど、
読者の私には手におえないほどの、特別なオーラを醸し出している。

彼の飄々として気高い振る舞いは誰もが引き寄せられてしまう。
次になんて言うのか全然予測がつかない。
そこがたまらない魅力で、予測不能で未知数なのがかっこいいんだなぁ。

スカウターがあったらぶっ壊れちゃうと思う。

 

世界は無限で自分は無敵で、何にでもなれると思う10代の思い込みは
滑稽なくせして、どうしてこんなにも人の心を打つんだろう。

また、田舎の風景と夏芽の気持ちがすごい合うんです。
風景も一つの心理描写見たいにみえて、一つでも欠けてたら
成立しなかった世界だと思います。

閉鎖された町で、うんざりするくらいの美しい空と海に囲まれて
自分の事を持て余してる夏芽とコウはこれからどうなって行くんでしょう。

まだ進行形の漫画なので、どこまで書けばいいか迷うんですけど
8巻までの所で言うと、コウちゃんの友人‘大友’がストーリーの深くまで
入り込んで来ています。
 

もともと大友は素敵なキャラではあったけど
惚れる!この男惚れる!みたいな感じじゃあなかったんです。
(というかコウちゃんがすごすぎて陰になってた感じですけど。)

コウちゃんが彗星みたいな輝きで、人の心を射抜く存在だとすれば
大友はずっとそこにある健気に輝く恒星みたいな存在なんかな。

まったく別のタイプで、いかにもいい人で終わっちゃいそうなキャラな大友。
彼がかっこいいわけない。だってコウちゃんがかっこよすぎるから。
完璧な二人(夏芽とコウちゃん)に入り込まないでよ!もう!


そう思ってたのに。

すごい、いいよね。大友。

あんだけインパクトのあるコウちゃんに引けを取らない。
大友もまた消えない光を宿した存在で輝いちゃってる。

これには、作者にやられたと思いました。

読者は多分、作者の意図は100%は汲めないじゃないですか。
作者のやりたいことも、うまく気付けなかったり。

でもこの作品は、何か結構分かるんですよ。
「あー、この人をこういう風に見せたいんだな」っていうのが。
いや、それも私の勝手な憶測ですけど。
でも表現力が半端ないっていうのは確信してます。


まぁ、ぶっちゃけ


私はジョージ朝倉さんがね、かなり好きなんですな。
この作者の漫画はことごとくツボなんですけど
この漫画は最高潮って感じです。

自分に合う作者っているんだなぁってこの人の作品読んで初めて思ったんです。
私は作家買いってあんまりしません。
同じ作者でも作品によって好き嫌いがあります。

なのにねぇ‥
ジョージ朝倉さんは
何もかも感覚がぴったりはまる感じです。

 同作者の『ハッピーエンド』という漫画も
私の心を揺さぶりすぎて軽く船酔いみたいになりますけど
すごい琴線に触れるんです。

とにかく!
私の好みの作品なんていう枠なんてぶっ超えて
溺れるナイフはだいたいの人が面白いと思える作品だと思います。

思春期のあやうさとか
思春期のキラキラとか
息の止まるほどのときめきとか

どれか一個でも好きな方にはたまんないと思います。

なんでもいいから
かっこいい男の子が見てーんだ。って人にも

たまんないと思います。


最強の少女漫画。



 

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2009/07/17 (Fri)23:46

7月17日は漫画の日だそうです。

まぁ、そんな日を掲げなくても漫画文化が浸透してる日本では
毎日じゃんじゃんみんな漫画を読んでいるわけで
7月17日だろうが1月1日だろうが読むやつは読む。

オールウェイズ漫画デイ。

で、そんな日にちなんで後世に残したい漫画ランキングっていうのが
やってました。

1.SLAM DUNK
2.ONE PIECE
3.ドラゴンボール

トップ3がみんなジャンプ。
すごいね。やっぱ日本一の漫画雑誌なんだなぁ。
日本一っていうのはすなわち世界一ってことで
こういうの見ると改めて思います。

ジャンプは永遠だな。って。
永遠にともにだな。って。

歌っちゃうよ。




じゃあ、そんな漫画の日にふさわしい1冊をご紹介します。

昨日電車の中で号泣した漫画。

『星守る犬』

これね、誰かが卑怯!っつってた。
本当、そう。もう、絶対泣く。

天才!志村どうぶつ園っていう番組で
動物と話せる人が出てくるコーナーがあるんですけど、
あれ見て泣いちゃう人は、これ読んだら100%泣く。

確かにモチーフが卑怯だと思うんですよ。
でも、泣くのが当たり前みたいなモチーフは
描くのハードル高いと思います。

今から超面白いことします。
って言って一発芸するみたいなもんですから。


ストーリーは

朽ちた車の中で白骨化した死体が見つかる。
その遺体は死後1年が経過しているものと思われ、
そしてその足下にはどうやら犬らしきものの死体もあった。
調べてみると犬は死後3ヶ月だとわかる。

そんなところから始まります。

軽く紹介しますと

犬の視点で飼い主のお父さんやその家族を描いています。
基本的には犬(ハッピー)とお父さんの掛け合いが主で、
家族が崩壊してしまって、犬と残されたお父さんが
一人と一匹で旅に出るっていうお話です。

そこで最期を迎えた一人と一匹。

こんな書き方をすると
悲しさに満ちているように見えるけれども、
それがそうでもないんです。

いけるとこまで行ったお父さんとハッピー。
不幸だったかもしれない。
でも目の前にある大切な物を大切にして生きた二人は穏やかに見えた。


喜びと悲しみは量じゃないんだなぁ。
1つの喜びと100の悲しみ。
1で100を消すことなんてできないんですよ。
でもそれが大事ってわけじゃないんだなぁ。と。

そんな事を考えてしまう漫画でした。

とにかくお父さんのキャラがたまらない。
この悲惨な現状を悲惨にみせない性格で
これは愛すべきキャラです。
 

そんでもって何がうまいって
犬の感情の描き方です。

もちろん犬の言葉なんてわからないですから
全部想像だと思うんですけど、
(私も想像ですけど)リアル!って思う。

犬は、人間のちょっと打算的な所とか卑怯な所とか
絶対責めないで尻尾を振るじゃないですか。
あのキラキラした目で。

きっと彼らは在るものを、ただ在るものだって思えるんだと思うんです。


どうにもならない事が人生にはたくさんあって、
それをずっと嘆いてることで荒んでいく心は、
やっぱり毒じゃないですか。

毒は多少はあったほうが人生の肥やしになるかもしれないけど
どうにもならないことを、本当にどうにもならないって思って
ただそこにあるだけだと思えたら、きっともっと素敵に見える。

そうわかっているのに、嘆いて足掻いて憎むことは辛いのに
どうしてもやめられない。


星守る犬という言葉の意味は
手に入らないものを求める人。
という意味らしいのです。


この話しを読んだ時に
ちょうど思うことがありまして、
そのヒントがこの漫画にあった気がしました。
そこで更に涙。


私は本当に星守る犬です。


だけど、犬のように純粋に飽きることなく憧れるだけ
なんてことはできないんですよ。
 

だけどいつか目の前にあることを
今以上に愛せて、手の届かない何かさえも愛し、
幸せを量ることもなく、心穏やかに暮らして生きたい。


素敵な本なのでよければ読んでみてください。


だけど電車の中では注意してください。
私のように号泣中に斜め前の人がガン見してくる場合があるので
その温度差に堪えられなくて途中下車することになります。




 

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2009/06/05 (Fri)22:44
この漫画。

 

ほんと、キケン。

何か心の中のどす黒いものが渦巻きます。

 


この漫画は作者石原まこちんが高校を卒業してから
漫画家になるまでを描いた、自伝的漫画です。

まこちんの漫画はこの作品以外
THE3名様しか読んでないんですけど
(これも自伝じゃ?みたいな漫画です)

ファミレスで深夜に話すってだけの漫画で、
登場人物の3人に絶対共感しちゃいけないようなお話。

でもすげー共感できちゃうあたり、私もヒドイもんです。
映画にもなってるのでご存知の方、多いかもしれませんね。


そんな作者が放つ自伝。
これ買うしかないっしょー。

この本は、知り合いを待っている
ちょっとした間に買って読んだんですけど、

待ち合わせ場所に来た知り合いに
「なんかあった?」
って言われるくらいテンションが下がっていた。らしい。


これね、読んだ人にしか絶対わからないと思うんですけど、
すっごい精気を奪うんですよ。
私のなけなしの正のオーラ全部吸い取られました。

まるでそういうウイルスみたいなんですよ。

主人公のまこちんは、
とにかく働きたくない。って奴で
その働きたくないって気持ちが半端ないんですよ。

普通、こんなに他人のやる気のないオーラって伝わる?!
って思うくらいダイレクトにくる。
100%っていうか120%。ちょい気持ち多めに伝わっちゃう。


やりたいことがあるから働きたくない。
って思ってる訳じゃなくて、ただ働きたくないみたいで、
まじどーしよーもねーの。

社会とうまく関われない葛藤。とか
自分はこのまま同じ毎日を繰り返していいのか的な葛藤。とか

そういうのゼロ。


こんなどうしようもない人
あんま見たことねぇ。


この吸い取られた感を表現したくて
友人にあらすじだけ説明したんです。

高校卒業間際に、勝手に面接受けに行かされたまこちんが
落ちる気満々で挑んだ面接に何故か受かって、
働くんだけど数日で辞表を出して(しかも会社のポストに投函)
働けって言う父親から逃げまくる話。

って。


そしたら
「何それ。面白そうじゃん!」

って。


確かに!確かにそんな話、面白そう!
私絶対買っちゃう。

そう。買ったんだった。


えーっと‥まぁ、あれです。
結局読まないとわかりません。


面白いっていうのは確かにあってるけども。


それにやっぱ続き出たら買っちゃうもの。
この比類無きダメさ加減。
どうやって漫画家になったか知りたいもの。


同じような自伝的漫画で
カラスヤサトシの『おのぼり物語』っていうのがあるんですけど
あれは、何か心が暖かくなったんだけど…

自伝ってだいたいそういうもんじゃん?
どんなやる気のない人の半生も、最後ジーンとしちゃうじゃん?
人生色々じゃん?


・・・・ええと。
多分、まだ1巻で、ダメなとこばかりピックアップされてるから
暖かさとか?感動とか?希望とか?ないんだよね。

2巻からやる気が発生したりするんじゃないかなぁ。
まだ漫画家になるくだりは描かれてないし。

うん。きっとそう。

 

とりあえず2巻待とう。


とりあえずこの気持ち一人でも多く体験して欲しい。

 


でも、気をつけて。

今ワクワクしてる事とか、希望溢れる未来とか
がっつり持ってかれます。

 



 

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漫画が好きです。結構好きです。
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うまくできるかどうかは別ですが。
だから何でも言葉にしてしまいます。

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