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この脈絡のない頭の中には漫画の事とたぬき的哲学がある。略して「たぬ哲」。
2024/05/03 (Fri)18:29
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2009/08/23 (Sun)23:24

息をのむっていうのはこういうことを言うんだと思った。


先週、本屋で溺れるナイフ8巻を見つけて
思わず息が止まった。

そんな漫画ってあります!?

ここまで新刊を楽しみにしている漫画は
今私の本棚にはない。

常時集めている漫画は30種類くらいなもんですけど
その中で本屋に行く度に必ず頭をよぎる本はこれだけ。

今なら言える。

この漫画、私が読んできた少女漫画の中で一番面白い…!

最新刊8巻は1年以上開いての刊行でしたので
感動もひとしおって感じでした。

 

ストーリーはこうです。

主人公‘夏芽’が東京から片田舎に引っ越してくるところから始まります。
何もないと思っていた田舎で‘コウちゃん’という男の子に出会う。

コウちゃんはキラキラしていて東京でもどこにもないような
輝きを持っている男の子でした。

夏芽もまたキラキラした存在で、田舎では目立ちすぎる存在でした。

そんな二人は当然のように互いに恋をしていきます。
それはそれは窒息しそうな想いを抱えて。

 

話しはこのように直球な恋愛漫画です。

そういう漫画に大切なものって言えば
どれだけ主人公の気持ちがリアルに伝わるかと
男の子のかっこよさ。だと思うんですけど、

これが神ががかっている。
本当に胸がぎゅーーーーーーーってなる。
時々ページをめくる手が震えるほどに
夏芽のコウちゃんに対する想いがわかってしまう。

いつもならただ読んでるだけのモノローグも
胸を抉られます。わかりすぎんだよ夏芽ちゃんの気持ちが!

本当うめぇなぁー。って思う。
作者の描くコウちゃんという男の子なんですけど、
言っとくけどめちゃめちゃかっこいいです。

私の中の少女漫画の男ランキング

第一位 入江直樹くん(イタズラなkiss)

を抜いちゃうんじゃないかなぁ… 

彼はしばし、キラキラ光って見えると形容されますが
本当にね、誰もそこには入れないくらい神聖な光を帯びるのがわかる。

特別な存在としてその小さな田舎町に君臨しているコウちゃん。
その特別感を出すのが作家の力量ですけど、
読者の私には手におえないほどの、特別なオーラを醸し出している。

彼の飄々として気高い振る舞いは誰もが引き寄せられてしまう。
次になんて言うのか全然予測がつかない。
そこがたまらない魅力で、予測不能で未知数なのがかっこいいんだなぁ。

スカウターがあったらぶっ壊れちゃうと思う。

 

世界は無限で自分は無敵で、何にでもなれると思う10代の思い込みは
滑稽なくせして、どうしてこんなにも人の心を打つんだろう。

また、田舎の風景と夏芽の気持ちがすごい合うんです。
風景も一つの心理描写見たいにみえて、一つでも欠けてたら
成立しなかった世界だと思います。

閉鎖された町で、うんざりするくらいの美しい空と海に囲まれて
自分の事を持て余してる夏芽とコウはこれからどうなって行くんでしょう。

まだ進行形の漫画なので、どこまで書けばいいか迷うんですけど
8巻までの所で言うと、コウちゃんの友人‘大友’がストーリーの深くまで
入り込んで来ています。
 

もともと大友は素敵なキャラではあったけど
惚れる!この男惚れる!みたいな感じじゃあなかったんです。
(というかコウちゃんがすごすぎて陰になってた感じですけど。)

コウちゃんが彗星みたいな輝きで、人の心を射抜く存在だとすれば
大友はずっとそこにある健気に輝く恒星みたいな存在なんかな。

まったく別のタイプで、いかにもいい人で終わっちゃいそうなキャラな大友。
彼がかっこいいわけない。だってコウちゃんがかっこよすぎるから。
完璧な二人(夏芽とコウちゃん)に入り込まないでよ!もう!


そう思ってたのに。

すごい、いいよね。大友。

あんだけインパクトのあるコウちゃんに引けを取らない。
大友もまた消えない光を宿した存在で輝いちゃってる。

これには、作者にやられたと思いました。

読者は多分、作者の意図は100%は汲めないじゃないですか。
作者のやりたいことも、うまく気付けなかったり。

でもこの作品は、何か結構分かるんですよ。
「あー、この人をこういう風に見せたいんだな」っていうのが。
いや、それも私の勝手な憶測ですけど。
でも表現力が半端ないっていうのは確信してます。


まぁ、ぶっちゃけ


私はジョージ朝倉さんがね、かなり好きなんですな。
この作者の漫画はことごとくツボなんですけど
この漫画は最高潮って感じです。

自分に合う作者っているんだなぁってこの人の作品読んで初めて思ったんです。
私は作家買いってあんまりしません。
同じ作者でも作品によって好き嫌いがあります。

なのにねぇ‥
ジョージ朝倉さんは
何もかも感覚がぴったりはまる感じです。

 同作者の『ハッピーエンド』という漫画も
私の心を揺さぶりすぎて軽く船酔いみたいになりますけど
すごい琴線に触れるんです。

とにかく!
私の好みの作品なんていう枠なんてぶっ超えて
溺れるナイフはだいたいの人が面白いと思える作品だと思います。

思春期のあやうさとか
思春期のキラキラとか
息の止まるほどのときめきとか

どれか一個でも好きな方にはたまんないと思います。

なんでもいいから
かっこいい男の子が見てーんだ。って人にも

たまんないと思います。


最強の少女漫画。



 

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