愛の行く末

この間、夜中にコスプレイヤーを取材した番組がやってました。
そこで取材されてたレイヤーの言った言葉にいたく感動してしまった。

Q.あなたにとってコスプレとは？
A.『愛情表現ですね』

それ聞いた瞬間、雷に打たれたようだった。
この言葉は私が、今まで説明ができなかったものを一言で説明してくれる魔法の言葉だ！

私はよく、漫画とかゲームのキャラクターを本気で愛す。
好きすぎると、人はどうにかしてその愛を伝えたくなる。
だけど実際にいない人に、愛を伝えるのは難しい。つか、できない。
それにちゃんとわかってる。現実と非現実の境目とか。2次元と3次元の越えられない壁とか。
そういうのちゃんとわかってて、社会生活を営んでいる上で言う。

好きだ、と。

もうこれは癖（へき）だ。癖としか言いようがない。
例え現実の世界で恋をしてようが2次元に恋をしてしまう。

問題は、恋しちゃうことじゃなく、
溢れてご飯も食べられなくなっちゃうほどの愛を、どうやって表現したらいいのかという事。
好きすぎると表現したくなるのは人の性だと思うんです。

話す事もできなければ、存在すらしてなくて、その辺の石ころに恋してるのと同じくらいに無反応。
こっちだって、結婚したいとか飲みに行きたいとか思ってるわけじゃない。
彼らには、彼らの世界での生活と秩序があり、その世界以外での姿なんて好きじゃないし。
ただ、ただ、この溢れんばかりの気持ちをどうにかしなければと思う。

私、気付いたら描いてました。
好きだと想った瞬間にペンを握ってる。
いつの間にか「恋をする→描く」がセットになっていて、
でもその行動原理は何なのか、ぼんやりしてたんです。

それが、先日の番組の愛情表現って言葉を聞いて
あぁっ！！！ってなった。

私は描くという行為で、キャラに対する愛を表現しているのか。
好きな人に、用もないのにくだらないメールを送る事と同じで、愛情を何とかして表現したくて描くんだな。

ひょっとして、ライブとか言って泣いたりするのも愛情表現なんだと思うんですよ。
感動っていうか、この歌好きー歌ってる人好きーっていう想いを何とか表現したくて泣くんだな。

相手から反応がない以上、愛そのものを具現化する事で、気持ちを確認するほかなくて
結果、好きなキャラの服着ちゃうみたいな。描いちゃうみたいな。

そのレイヤーの人の、コスプレする理由が変身願望じゃなくて愛情表現だった事が
すごい完璧な正解だと思ったんですよ。

日々どうやってこの愛を伝えるか模索し続けた結果みんな何処かに行き着くんだな。

主演：私　恋人役：架空　演出：私　脚本：私
一人で出演し、一人で観賞し、一人でスタンディングオベーション。

投げたボールはけして返って来ませんが、投げずにいられない。
てか、投げた瞬間対岸に走って、自分が投げたボールをキャッチしてんだよ。

一方通行の愛情表現は千差万別すぎて、他人には理解されにくい。
私の場合はよくあるパターンなので、理解できる人はいると思いますけど
ピースの又吉が、本の事好きすぎて食べたいって言ってたんですよ。
「あーホント本食べたい」って言われて、愛情深いなぁって思える人がどんだけいるんだろう。
前世ヤギ？って思うだけだよ。

でも今ならそれが愛情表現だとわかる。
すごいわかる。

でもやっぱなかなか伝わらないんだろうなぁ。
あ。でもこれは言える。

リアルで好きな人に彼女がいて、しかも5年くらい付き合ってるって知った時の切なさと
絶対存在しない人に愛を伝えたくて、でも物理的にどうやっても無理だと知った時の切なさは

 

似ています。






 

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