悲しみよこんにちは

私の一日はテレビに始まりテレビに終わる。

朝起きてまずテレビをつける。
家に帰って来ては、上着を脱ぐより先にテレビをつける。
そして一日の最後にはテレビを消してベッドに入る。

だけど、その日はテレビがつかなかった。
正確に言えば、ついた事にはついた。
普通テレビって画面いっぱいに映像が映るじゃないですか。
だけどその日は3回りくらい小さい映像が、パッと映って
それがどんどん小さくなっていって最後にはぷつんと消えた。

え？何今の？

それからはもう、うんともすんとも言わず沈黙。
真っ暗な画面に私の絶望した顔が映っていました。

え？本気で？
私、あなたがいないと生きて行けないんですけど。
今日9時からのスペシャルドラマはどこで見たらいいの？

泣きそうだった。

地デジ地デジって騒いでいる昨今に
テレビデオっていう旧世代の産物と暮らして15年。
15年前は結構な最先端だった。
なのに、時代は無情だよ。新しいヒーローをどんどん輩出しやがる。
だけど私のとっては、あなたが15年前と変わらずヒーローだよ。
20インチなのにその存在感。ブラウン管のダイナミズム。
ビデオ機能は6年前に逝ってしまい、ただのVHS挿入口がついたテレビになったけど、
その機械（からだ）でよく頑張ってた。

そういえば先週あたりから、やたら映像の色が濃くて見にくかったっけ。
あれは最後のシグナルだったんだな。

もう無理っすー。限界っすー。
ほら、もう人間の顔とかオレンジになっちゃうでしょ？
音声だって小さくなったり、大きくなったりしてるでしょ？
臨場感伝えるためにやってるわけじゃないですよー。
そんな機能私にあるわけないじゃないですかー。

って言ってたんだね。

よく頑張ったなぁ。

95年製だぜ。
95年っつたら何してたかな…

・・・・・・・

やばい。
感傷に浸ってる場合じゃない。

何とかしなければ。
音楽を聴きながらとか、ラジオを聴きながらとか作業する人がいるけど
私は全部それがテレビなんです。テレビがBGM。見なくてもついていて欲しい。

テレビは下着と同義だ！
ないと困る。支障がでる。精神が不安定になる。

たまに家にテレビないとか、ほとんどテレビ見ないって人に会いますけど、
え。まじで？本気で？どうして？どうやって？
って改めて思う。本当なくて平気な人尊敬してしまう。

とりあえず今は、同居人から小型のテレビを借りて見ています。
だけど、音は小型テレビから出てるのに反射的に壊れたテレビを見てしまう。
そこにはもう何も映ってないのに。

今映るその漆黒の画面は、ブラックホールよりも底なしの黒。

それを見て私は決心する。

 

友人がくれると言ったアナログ＆ブラウン管のテレビをはねのけ（もうブラウン管はいい）
週末にデジタルテレビ買ってやらぁ！
もう後ろにどーんと突き出たデザインとはおさらば。
薄い！これぞ21世紀！というデザインのテレビ買ってやるよ！

 

で、通帳見て、一回閉じて、もう一回そっと通帳見て、一人で会議して。
その結果、買えるテレビが4万くらいだって事実が発覚。

一応調べたら、見たことも聞いたこともないメーカーのテレビしかねぇ。
それ、どこ製？みたいな。

 

でもね。
今のテレビより10倍いい。

 

ううん。
50倍いい。

ついにわが家にも地デジの風が！

吹く予定。





 

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